ハァックション。
その日、三田啓太は風邪をひいてしまいました。
ハァックション。
ここは、千葉県市原市八幡南町三丁目。
ハァックション。
「もう、しょうがないわねぇ。今日はお医者さんに行かなくちゃね」
三田くんのお母さん、啓子さんがそう言いました。
当然、学校は休みです。
三田くんは喜びました。
理由はどうであれ、病欠です。
三田くんの家から最寄のバス停、日ノ出町から3つ目。そのお医者さんはあります。
「…、七色内科?」
「何言ってんの!ナシキ内科よ」
「…、え?」
「もう、この子は変なところで、拘るはね。置いて行くはよ!」
「あ、ちょっと待って…」
お母さんに引っ張られるように中に入ってしまいました。
中は空いていて、すぐに名前が呼ばれてました。
一通りの事を済まして、待たされて、お薬を貰いました。
お家に帰って、『笑っていいとも』を見て…、お昼を食べて…。お薬を飲んで。
その後、三田くんは眠くなり、寝てしました。
次に三田くんが起きたのは自分の身体の異変です。
何かがおかしいのです。
心配になって、
「お母さーん」
と呼んでも居ません。どうも、寝ている間に買い物へ行ってしまったようなのです。
確かめてもらえる、人が見当たりません。三田くんはしょうがないので、洗面台にある鏡台の前に立つ事にしました。
「……、うわぁ。何これ…」
そこに現れたのは、全くの違う人。いや、鉄仮面と言うべきでしょうか、その姿は。とにもかくにも三田くんは自分の姿に驚いてしまいます。
「なんか、これ。テレビで見た事がある…。あ、早朝にやってる戦隊だ!」
一人で興奮していると、
「っ、痛っ!」
急に頭痛に襲われてしまいました。
そして、頭の中へ訴えかける男性の声が…。